就学援助を希望する前に、地道に働いてほしい…
中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。
集金の催促、督促はツライ…
今でこそ、学校での徴収金は口座振替になっていますが、10年前は学校で集金していました。
→給食費未払社会悪1②「学校集金の現実」へ(読みとばし可) → https://kokoronoseiribako.com/minou1-2-1/
学校での集金作業じたい、なかなかに煩雑なものでした。
とはいえ、それを理由に間違うことは許されない作業。
さらに、催促、督促しなければならないのは、とても気が重いことでした…。
半年分滞納のまま、進級の春を迎え…
男子生徒S男の保護者は、入学時から学校納入金を滞納しがちでした。
入学当初は遅れがちでも納入していましたが、年度半ばから何か月も滞納が続き、半年経過してしまいました。
当時は卒業アルバム用の積み立ても行っており、副教材費その他、給食費も含めての滞納です。
そして、新学期を迎え、そのまま、2年に進級することとなりました。
1年生の頃の半年分となると、額も大きくなっていますし、
一気に払おうとすると、なおさら難しいことになるのはわかりますが…。
特別扱いなど、できるはずもなく…
実際、催促する側も鬼にはなりきれません。
けれども、他の家庭が納入しているのに、特別扱いなどできるはずもなく。
管理職とも相談を重ね、対策をとることになりました。
まずは、可能な限りの情報収集です。
小学校時代からも含め、学校関係者、協力的な保護者や民生委員の方から、再度、聞き取り調査を行いました。
その結果わかったことは。
こだわりが強すぎて収入につながらない…
まず、保護者は行政の支援を希望しているが、保護対象にはならない。
(対象にならない理由は忘れましたが、不定期な収入がないわけではないらしい)
民生委員や地元の方々によると、S男保護者の働く意欲に疑問を持っているそう。
高い理想とプライドがあり、仕事内容や作業のやり方にこだわるものの、地道に稼ごうとしない。
仕事を紹介してもすぐに辞めてしまう。
いきなり事業を始めては失敗している。
つい最近、屋台のおでん屋を始めたが、この人口の少ない農村でそもそも、客がつくはずもなく、さっそく開店休業状態である。
たまに近隣の者がおでんを買いに行っても、相変わらず大言壮語を言い放ち、買いに行く気も失せてしまった。
母親は、父親とは別に仕事に行く気があるのだが、父親は、女性を働かせたくないという強い意志があり、実行には至らず…。
地道に働くことよりも、高い理想を語る父親。今、集金未納で学校が困っているのに…。
給食費を払えないのは社会が悪いから その2へ → https://kokoronoseiribako.com/minou2/
上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。