大関フジ大関フジ

中学校教師30年間の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

対象保護者はPTA役員

カナコの母親は、PTA副会長です。昨今のPTA役員は「なりて手不足」。実際のところ、引き受けてくれる可能性がある方に頼み込んで担当していただくことも、ままあります。カナコの母親も、そうでした。保護者の中で人望があるかどうかのリサーチもままならず…。

きちんとリサーチできさえすれば問題のないことですが、年度初めは決めごとも多岐にわたり、年度初め業務多忙で、連日9時過ぎまで仕事に追われる日々です。毎日「残務あり感」をひきずって帰宅しているありさまなので「やってくれそうな方」にすがってしまうことになりがちです。

協力的な保護者集団に恵まれている場合は、適任者について保護者の中で事前相談が行われ、参観日の全体集会で適切な流れのもと、決定に至っていますが…。

カナコは絶対に次期部長になりたい

カナコはテニス部所属の2年生。時期部長を希望しています。同学年には部長候補として美穂の名前も上がっており、テニス戦績はカナコと同程度ですが、美穂の方が他生徒から人望があります。一方、カナコは、後輩である1年生の一部からは貢献を認められていますが、それ以外の部員からは気分にムラがあるという点で距離を置かれがちです。

顧問教師もほとんどの部員(部員中9割)も、人物面から美穂の方が時期部長にふさわしいと考えています。しかし、カナコの部長希望の熱意は強く、小学校時代美穂に部長を取られたと根に持っています。美穂もカナコともめるのはこりごりと思っていて、多くの部員から推されても部長になろうと思えないのが本音です。

クラブチームと部活動

カナコが所属するテニス部員の半数は、地元のクラブチームに所属しています。カナコの母親もコーチとしてナイター練習で指導しています。部員25人中8人の保護者がコーチとして名を連ねていて、美穂の父親もコーチです。

ある日、カナコの母親が、顧問へ部長の決め方について要求してきました。

小学校時代の部長決めで、候補者のカナコと美穂が部長決定戦を行い、うちのカナコがたまたま負けて美穂に部長を譲った。立候補で決めてほしい。という要求内容でした。

そもそも、小学校時代の話について詳細も真偽も確認できないし、校内の活動の決めごとを、一(いち)保護者の要求のみで決めるわけにはいきません。

顧問が「参考意見として受け止めておきます」と返答したところ、「とにかく立候補する生徒に部長を任せてほしい」と強硬に主張されてしまい、候補者が複数いたらどうするかという話にも持ち込めず、顧問も母親に根負けしてしまいました。

そして翌日から、カナコの部長獲得運動が展開されることになりました。あまりの熱意に、部員も顧問も、他部員他教師もドン引きするほどの。。。

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上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。