「払う気はある」と堂々と言い放つ父親。しかし…。
中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。
まずは家庭訪問
ここまでのいきさつ → https://kokoronoseiribako.com/minou1/
集金できないことにより、学校で困っていることを、家庭訪問をして改めて訴えてみました。
民生委員等から収集した情報に留意しつつ、説得を試みました。
学校で集めたお金の具体的な使われ方を伝え、理解を求めました。
S男父親は、「払う気はある」と堂々とした態度で応じました。
滞納分を耳を揃えて払ってみせると主張しました。
“それをいつ”と確認したかったのですが、学校教育の在り方だとかに話を持っていかれてしまい、具体的な見通しを持てないまま、終わってしまいました。
分割払い、負担軽減措置
次の集金日が来ましたが、支払いの気配がありません。
本当は、蓄積した分の金額を一気に払うことが負担なのではということで、校内で再び会議しました。
「まずは2年生になってからの分のみ受け取り、
1年生の分は分割払いを視野に入れて相談しましょう。
このままでは、お互いに苦しいままなので。」
と提案することになりました。
学年主任が説得し、父親来校にこぎつけました。
それに際し、一気に具体的な流れにつなげるよう、さらに詳細案を用意しました。
詳細具体案を用意
1年生の半年分は、分割支払いとして、その分割方法は後に相談。
まず、2年生分の集金納入を先に考える。
①設定額を全部納入する。
②苦しいようであれば、
現金負担を少なくする措置をとる。
・卒業アルバム積み立て分を次年度にまわす
・副教材については、卒業生から
もらえるものはそれを使う
(学校でも協力する)。
・給食費については、
(自宅に畑があり食材には
困ってない様子なので)
弁当持参も検討する
これら措置で現金負担を減らす
これを、必要に応じて提案していくとなりました。
給食についての打開策
S男父親は、
1年生の分は当座延期で、後に分割納入ということにあっさり同意(目の前のノルマが遠のいた感だったよう)。
そして、「2年生の分について現金納入を少なくする」、についてもあっさり同意。
そしてその内訳を知るにつれ、表情が変わっていきました。あくまで、「現金支出を抑えるための案」として提示しましたが、
特に給食についての学校側の提案が、予想外だったようでした。
給食費を払えないのは社会が悪いから その3/8へ → https://kokoronoseiribako.com/minou3/
上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。