大関フジ大関フジ

中学校教師30年間の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

有力選手の引き抜き強行!

ここまでのいきさつ →  https://kokoronoseiribako.com/bucho-naritasugi1/

カナコの部長獲得運動は、周囲をドン引きさせるものでした。

まずは、悲願だった団体戦優勝のために、有力選手の引き抜きの強行です。

カナコは、バス通学の美穂が登校する前から早朝出校し、後輩の教室へ出向きました。カナコが「ひとみ」を説得してテニス部に入部させるとふれまわりました。「ひとみ」は、小学校時代優秀な戦績を残しており、選抜選手として他校との合同チームに所属していた生徒です。

「ひとみ」は家庭事情により現在はバレー部マネージャーです。テニス競技に戻るつもりはないのに、カナコから入部を催促され困ってしまいました。

母子ともに大暴走

かつて、ナイターチームで「ひとみ」を指導していたカナコの母親も、カナコに同調して自宅へ説得の電話を入れるへありさまで、「ひとみ」の母親も困惑してしまいました。

カナコの母親はPTA副会長で、学校での会議にも積極的に参加しており、発言力があるため、「ひとみ」の母親も強く拒否できないのです。

さらに、カナコの母親は、ナイターチームのコーチ数名にも個別で「ひとみ復活」の必要を訴え、「ひとみ」への競技復帰の声掛けは何人もの大人がからむ事態となりました。

カナコは、自分が御しやすい後輩を自分の見方につけようと、「ひとみ復活」で部活全体が盛り上がると訴え続けました。

なりふりかまわぬ

また、カナコは、美穂がテニス部で孤立するようにしむけました。登校バスが到着するのを玄関で待ち、同じバスで出校したテニス部員に手招きして昨晩のラインでやりとりした雑談の続きを話しかけます。

「後輩らと共通の話題がある」雰囲気を美穂に見せつけ、自分が慕われているアピールをしているのですが、美穂はもう、その態度にとっくにうんざりしていました。「また始まったか」と。

後輩の教室へは、朝、昼休み、そして休み時間毎っ回(!)訪れ、「ひとみ」の説得、後輩部員の取り込みに頑張り続けました。次の授業の準備もおろそかにし、勉強も係活動も二の次になっている様には、他部活生徒、他教師もあきれてしまいました。

相談されざんまい…

顧問の元には、カナコ母子には困惑してるという相談が、次々を舞い込みました。

「ひとみ」の母親からの相談、ナイターコーチをしている別の部員保護者からも相談(カナコの母親から同調圧力あり)、そして「ひとみ」本人からも相談があります。先輩であるカナコに強い態度で断ることができないのです。

その上、カナコのなりふりかまわぬ部長獲得運動に辟易しているテニス部員からの訴えもあり、顧問は疲労困憊でした。

そしてまた電話が…

そして、カナコの母親から、また電話がかかってきました。内容は、「“ひとみ”もその親も、テニス部入部を考えている、部としても助かるだろう。部長決めはくれぐれも立候補でよろしく。」というものでした。

このままでは、「ひとみ」にも気の毒だし、部内の人間関係悪化を招き、保護者同志の不満も蓄積する一方です。できる限り情報収集し、なんとか打開策を探ることにしました。

しかし、打開策が見つかるどころか…。情報収集により、この件の関係者は想像を越える範囲に及ぶことがわかり、顧問は「もう自分の手には負えない」と、体調不良を起こしてしまいました。

その想像を越える範囲というのは…。

部長になりたすぎて大暴走件! その3へ → https://kokoronoseiribako.com/bucho-naritasugi3

上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。