ハサミをうまく使えない?箸も持てず、紐も結べない…

大関フジ大関フジ

中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

生活経験が極端に不足?

ここまでのいきさつ →  https://kokoronoseiribako.com/kyomi1/

学校でのタカシは、特別支援系の子供らと一緒に過ごしていました。

学力、運動能力、生活力それぞれに生きづらさを抱えた面々です。

で、どういうわけか、タカシを含むその4人は、その「生きづらさ」について、ほぼ同じように見えていました。

他の3人は先天的な特徴であり、タカシは根本的に違うはずなのに。

なのに、タカシも同じように見える。

よく観察してみると、生活経験が極端に不足しており、結果、他の3人と同じような状態になっていると思われました。

ハサミをうまく使えない…

タカシは、手をグーにした状態でしか箸を持てません。

私も周囲生徒も持ち方を教えようとしますが、僕はこれでいいんだと言ってオワリです。

ハサミをうまく使えません。

紙は信じられないくらいギザギザになり、ちぎって体裁を整えています。

調理実習で包丁を持たせると、食材と包丁の持ち方、角度がありえない状態で、周囲生徒が不安で見ていられないと、顔をそむけてしまいます…。

ズックの紐を結べない…

ズックの紐を結べません。

紐がほどけているの見かけるため、結び方を教えてタカシ本人にやらせてみました。

結べるようになるまで、かなりの時間を要しました。

そしてようやく結び終えましたが、ゆるゆるです。すぐにほどけます。

結局、四六時中タカシについて回るわけにはいかないので、紐が伸びたままで、廊下や階段を歩いたり走ったり…。

結び方教室は、たまに実行することとし、本人のズックが下足箱にあるうちに、固結びに直しておきました。(安全第一…)

中学生であっても、紐結びや箸の持ち方などが苦手な生徒は、いることはいます。

けれども、タカシほど、あれもこれもの生徒は、見たことがありません…。

玉ねぎの皮むきがカオスに…

調理実習で、玉ねぎの皮を剥かせました。

たまたま剥きにくいたまねぎで、薄い皮に一時的に爪を立てて皮を掴む必要があります。

他の生徒にも目配りしながら、少したってからそれを見ると、

たまねぎ表面にクレーターのように無数の穴があって、剥けていない皮もひっついていて、

もうカオスになっていました…。

 

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上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。