大関フジ大関フジ

中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

運動会での配慮が、なぜ「担任が悪い」ことに?

運動会では皆に活躍してほしいけど…

「ルリ」は運動能力が極端に低く、体育の授業でも特別な配慮が必要な生徒です。特別支援認定があれば、配置教員を増やして充実したケアができるのですが、そうはならず。

そうなると教員人数が不足のまま、現存教員の担当調整や個別裁量でサポートすることになります。→担任から悪いから1②「支援認定と周辺生徒」へ(読みとばし可) → (工事中)

運動会は、体育祭・体育大会等ネーミングは様々ですが、ほとんどの学校で行われている行事。保護者の関心も高く、行事を通した成長の機会にもなるため、事前準備から入念に行います。

目標を持って行事に取り組めるように事前指導をし、種目決めに入るのですが、この種目決めは、なかなか悩ましいものなのです。→担任が悪いから1③「運動会にむけて」へ(読みとばし可) → https://kokoronoseiribako.com/tanninaku1-3-1/

種目選びで配慮したつもりが

当該校では、跳び系の競技で、3つのうちどれかを選ぶ必要があります。皆で声を掛け合って一斉に跳び上がるものなら他よりは良いだろうと想定し、「ルリ」は、「みんなでジャンプ!」に出場することになりました。

小学校時代には無かった種目でもあり、「ルリ」は大喜びで、やる気満々の表情を見せていました。

でも、いざ練習が始まってみると…。
チームメイトや担任の想定を上回る難題が出てきました。
担任が悪いから1④「試行錯誤とルリの特殊性」へ(読みとばし可) → https://kokoronoseiribako.com/tanninaku1-4-1/

練習中には難題が噴出…

練習を重ねても成果を出せず、どうせ勝てないという空気になってきました。同級生の苛立ちになかなか気づかない「ルリ」でしたが、他チームと競争しての練習も数回目になると、さすがに練習中の居心地の悪さを感じ初めました。

そして、小学校時代いじめられた(本人談)ということを持ち出し、練習や本番への不安を口にするようになりました。

また、程度が軽かったとはいえ、練習がはかどらないことから優しい子を激高させてしまった。これは新たな判断を要すると実感しました。

詳細は→担任が悪いから1④「試行錯誤とルリの特殊性」へ(読みとばし可) → https://kokoronoseiribako.com/tanninaku1-4-1/

しかし、いったいどうすれば…。思い悩んでいたとき、運営側から思いがけない流れが出てきました。

ユニバーサルデザイン的解決策

「みんなでジャンプ!」の補欠人数が、選手人数に対してバランスが悪く、再調整が必要ということです。「ルリ」に関わる現状も踏まえ、運営側と相談しました。

その結果、跳び系競技3種類のうちのひとつである「馬跳び」に、「馬専門」という役割を設け、跳ばなくてもちゃんとチームに貢献できるという枠を設けることになりました。

他クラスにも(「ルリ」ほどではありませんが)跳躍が不得意な生徒がいて、どのクラスにも公平にその役割を設定し、全体としても収まりが良いことになりました。

保護者にも一報

「ルリ」にその「馬専門」を提案したところ、あっさり了承し、本人もほっとした表情を浮かべていました。他生徒らも、ギスギスせずに練習できることになったので安堵していました。

とはいえ、当初「みんなでジャンプ!」競技に意欲満々でありながら、残念感を伴いながらの種目変更です。本人の内心に配慮が必要と考え、保護者にも一報入れることにしました。

担任のせいでいじめられる?

電話応対した母親は、気さくな雰囲気で了承してくれました。運動会当日に会話した際も、「小学校時代、運動が苦手でいじめられた。中学校では良い流れになって助かった。」と、自分から発言していました。

ところが、その半年後、いきなりの大逆転が起こったのです。
「ルリ」が同級生からいじめられている。それは、担任のせいだと母親が訴えてきたのです。

 

担任が悪いからウチの子がいじめられる! その2へ → https://kokoronoseiribako.com/tanninaku2/

上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。