金銭の流れも、諸手続きも滞りがちな現実
中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。
集金滞納は、保護者の収入が多い少ないというよりも…
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ご家庭の経済状態は、様々です。
保護者の職業や家族構成は、保護者が提出した「家庭状況調査用紙」から学校側も把握しています。
ただ、世帯収入まではわかりません。
世間には、世帯収入が少ない家庭が徴収金を滞納していると思われがちです。
でも、私の経験上では、集金が滞るかどうかは、保護者の金銭管理能力によると思われます。
きちんと手を尽くす保護者も
経済的に苦しくても、我が子が先生から集金の催促をされなくていいよう、手を尽くしているのが伝わってくる保護者がいます。
ちゃんと集金日前に学校に連絡を入れ、納付のメドを伝えてきます。
仮に事情悪化があってさらに遅れるとしても、また連絡をよこして、後日きちんと納めています。
金銭の流れ自体がおかしなことに
集金滞納のまま、催促しても払わない保護者は、金銭の流れ自体がおかしなことになっています。たいてい。
当時はまだ所持率が少なかった携帯電話を持っていたり、(生活保護を受けていながら)隠れて車を所有していたりです。
入金があるやいなや、どこかに消えている例もありました(借金の返済と思われます)。
子だくさんで、子供に関わる支援金を自分の生活費にしている保護者もいました。
なんらかの入金を元に、見通しが甘いまま投資しては失敗という例もありました。
救済措置の手続きも滞りがち
ちなみに、行政等による救済措置もありますが、金銭管理能力が乏しい家庭は、そういう手続きにも乗り遅れがちです。
毎戸配布の案内文書にも目を通さなかったりするため、学校側が、わざわざ連絡して手続き方法をかみ砕いて説明することもありました。
そして、無事に支援対象になっても、その入金が学校の集金に生かされなかったするのです…。
学校は督促のプロではなく…
学校側は、学校徴収金の滞納保護者へ入金の催促をしますが、督促のプロではありません。
最終的に根負けしたまま、卒業されてしまうことも、残念ながらあります。
小学校で一度、踏み倒し経験をしてしまった世帯は、中学校に進んでも払わずに通そうとします。
その不足分の補填を、最終的にどうしているかについては、管理職が泣く泣く自腹ということもありますし、いずれにしろ苦しい対処になってしまいます…。
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上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。