運動会の集団種目練習は成長し合える機会にしたいものだけど…

大関フジ大関フジ

中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

スモールステップで練習

ここまでのいきさつ →   https://kokoronoseiribako.com/tanninaku1-4-1/

タイミングを合わせた跳躍が、どうしてもできない「ルリ」。

私も昼休みに一緒に練習することにしました。

跳び上がり方について、他生徒の動きを真似ても、うまくできません。動きの一つ一つを分けて確認してみました。

「せーの」の「の」のところでジャンプと言っても、「の」の瞬間にちょうど足が着いてしまうのです。

「せー」と伸ばしてる間、膝を曲げて「の」で足を上げると言っても、身体は伸びても足が上がらない。

足が上がったとしても、ごく短い瞬間のみで、すぐに落下。

練習の成果は…

それでも、繰り返し練習するうちに、徐々に慣れてきました。

本当は跳び上がって前進する必要があります。

リズムに慣れた頃に前進する要素も加え、なんとか、望ましい流れで跳べるようになってきました。

でも…。

生徒と一緒になると別なスイッチが入るのか、練習の成果はふっとんでしまいました。。。

他学級との差は開くばかり

それでも、チームメイトらは、根気強く「ルリ」を励まし続けました。

でも、状況が変わるとそれも難しくなってきます。

他のクラスと同時スタートの練習が始まると、さらに熱気を帯びてくるからです。

「ルリ」が原因で前進できず、どんどん他クラスとの差が開いていく…。

先生、長い棒ありませんか?

なにかいい方法はないかと悩んでいたら、ある女生徒が「先生、長い棒ありませんか?」と話しかけてきました。

「ルリ」を間にはさんで、3人で棒を持ち、ジャンプするタイミングを両側ではさんだ生徒がサポートするというのです。

このテがあったかと、生徒の柔軟な発想力に驚きつつ、一気に明るい機運が高まりました。

練習成果がはっきり出て、「これならいける!!」と、誰もが思いました。

楽しすぎてジャンプ

ところが…。

いざ、他クラスと競争練習しようとなると、

タイミング合わせの掛け声がかかった段階で、「ルリ」のテンションが上がりすぎてしまうのです。

楽しくて楽しくて、ただただ跳び上がり、練習したタイミングはどこへやら…。

 

「練習での試行錯誤とルリの特殊性」担任悪1④ その3へ → https://kokoronoseiribako.com/tanninaku1-4-3/

上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。