大関フジ大関フジ

中学校教師30年間の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

終業式の日、一本の電話が…

終業式の日の夜、担任生徒「N美」の父親から電話が入りました。
N美のお母さんとは日頃から親しくさせてもらっていたため、親子行事の相談かな?と気軽に臨みました。

お父さんとは初めての会話でしたが、お母さんと同様に親しみやすいつもりでいたら、一転。
父親の話はこうです。

内申書に影響でしょ?美術「3」は納得できない

今日、娘が帰宅するや否や大泣きした。通知票の評定の、美術が「3」であることに納得できないそうだ。

美術の先生が間違えたんじゃないか。期末テストでも100点に近いから「5」が妥当なのに、この評定ではおかしい。他の教科は「5」や「4」なのに、美術だけ「3」でショックを受けている。

私も職場で人事評価をする立場だが、評価ってのいうのはもっと慎重に行うべきだ。成績は内申書にも響いて高校受験にも影響する。いいかげんな評価で進路に影響しては大問題だ。

この件は教育委員会にも相談しようと思っている。と、一気にまくしたてられました。

これがモンスターペアレントってやつ?

モンスターペアレントという言葉が世に出始めた頃でした。「そうか、これか」と思いました。
日頃の良好な関係が一気に暗転…。
父親の「美術の先生が悪い」と最初から決めつけた言い方に、母親との日頃のフレンドリーな関係までもがふっとんでしまいました。
そして、「教育委員会」という言葉を耳にした段階で、一気に戦闘モードに切り替わる自分を自覚しました。

戦闘といっても、ケンカしようということじゃなく、「決して失言をしてはいけない」「足元をすくわれることを言ってはいけない」この二点に集中するということです。

電話の終わり際に浮かんだのは生徒の姿

いずれにしろ、保護者にとって納得できる説明が必要です。

改めて時間を設けて、美術の先生にも同席してもらって話を聞かせてもらうことにしました。
N美は、学業優秀で明るく活発な生徒です。父親からはいきなり評定についてのクレームを聞くはめになってしまいましたが、今回初めてのやりとりです。

この雰囲気のまま電話を終えることにためらいがあり、「N美さんは日頃から学級に貢献してくれて、ありがたいと思っている」旨を伝え、電話を終えました。

内申書ウチの子「3」 その2へ →  https://kokoronoseiribako.com/utinoko3dosite2/

上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。