モンペになりたくない、モンペでいたくない
中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。ここに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。
その後も協力的な保護者のままでした
ここまでのいきさつ → https://kokoronoseiribako.com/monpenasi1/
あの3時間近くの長時間電話で、ナオミ母はありったけの愚痴を吐き出し、
一定の帰着を見たようで、なんにしろ良かったです。
ナオミ母の言葉の中に、「PTA活動に行きたくない」という内容もありましたが、
その後も、学校に協力的な姿勢に変わりはありませんでした。
母親自身が自分の中にある相反する気持ちの一部を吐き出し、
他者(私)に受けとめられたことにより、気持ちの整理がついたと思われます。
あまりに多かった「ほんとに」
10年ほど経過した今、ナオミ母との電話を、再度振り返ってみました。
はっきりした特徴があったことに気づきました。
それは、「ほんとに」という言葉があまりに多かったことです。
“自分のことをわかってもらいたい”“でも、わかってもらえそうもない”
この心理的負担が大きすぎることから、そうなるのではないかと、私は考えています。
→「“ほんとに”多用の苦しさ」(読みとばし可)https://kokoronoseiribako.com/monpedenasi5-2-1/
ナオミ母親の事例は、自分の行動を制御できず、悩みを深めてモンスターペアレントになってしまった例だと思います。
以前から、「こうして何度も先生に電話してしまう自分」に悩んでいたので…。
教師周辺の状況は、少しずつ改善傾向?
ここ数年は、教師の個人所有電話に電話が来ることも、あまりなくなりました
(試合引率で、遅刻対応などの電話やり取りがあるくらいで)。
教師の長時間労働が問題視される世の中になりました(最近やっと…)。
夜遅い時間に学校に電話が入ることや、教師個人に電話が来る流れも少なくなりました。
ショートメールも含め、メールやSNSでの保護者やりとりについては、
はっきり、禁止令が出ています。
(かつては、ショートメールに綴られてくる暴言に苦しみ、病んでしまった同僚もいました…。)
保護者の相談を受けとめる機関の充実を
10年ほど前は、長時間電話で私がナオミ母の吐露を受けとめたわけですが、
ゆくゆくは、その役割を果たす相談機関が充実することを望みたいものです。
なんの関りもない相談員だからこそ、話しやすいということもあると思うので、いきなり飛び込めるタイプの相談機関も、必要だと思います(すでに、けっこうあると思われます)。
そして、学校、職場、それぞれにある程度関りのある相談員もまた、必要だと思います。
その相談員と通常業務担当者との連携も、けっこう難しいものがあるかと思いますが、
いずれにしろ、学校教育関係者の人数、枠組みの増加、充実が必要だと思っています。
他のモンペ事例もご覧ください。 → https://kokoronoseiribako.com/monpe-sensabanbetu1/
上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。