大関フジ大関フジ

中学校教師30年間の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

ミーティング前の雑談での予想外のこと

ここまでのいきさつ →  https://kokoronoseiribako.com/bucho-naritasugi1/

今日は部長決めミーティングを行う日。

昼休み、顧問と2年テニス部員数名が雑談中、予想もしていなかった話題が出ました。

なんと、新部長候補として「奈々」の名前が挙がっているというのです。奈々は、クラブチームにも所属せず、技能向上よりも運動を楽しみたい派。学業成績も良く、カナコや美穂とは別の意味で一目置かれている存在でした。

潮目の変化が…

雑談の場に「奈々」もいて、本人の意思を尋ねたところ、「べつにいいよ~」という返答。念のため、部長の職責の重さについて話をふってみました。
「奈々」は現部長の部員への配慮をよく観察していて、“部員をまとめる”難しさを知ったうえでの返答だとわかりました。技術的なことは、カナコや美穂からアドバイスをもらいながら練習メニューの指示するなど、具体的なイメージを持っていることがわかりました。
「奈々」には独特の持ち味があり、カナコや美穂とも、ズケズケと言い合える様を見たことがあります。
雑談に居合わせた他部員の表情も良く、放課後のミーティングで部長に立候補するらしい流れが見えてきました。

そして新部長は…

いよいよ、放課後のミーティングが始まりました。立候補者を募る段になり、挙手したのは「奈々」一人でした。

カナコともめるのはこりごりだった美穂の表情には、少々驚きつつもの笑顔が見えます。

そしてカナコの表情は…。

これまでと違う穏やかなものでした。近くにいた奈々につつかれ、変顔で応じています。結局、他の部長立候補者がおらず、スムーズに部員の承諾を得て、新部長は「奈々」に決定しました。

はからずも、保護者の申し出通りに。

カナコの母親が再三訴えてきたことは、「部長は立候補者に」ということだったので、ちょうど、希望通りになったことになります。(本音はさておき)

新部長決定後、カナコの母親から学校への連絡はなく、「ひとみ」宅への復活催促も、ぱったりとなくなりました。

顧問は、「保護者の方をなんとかしなくては」と情報収集につんのめっていた自分を振り返りました。「自分だったら親御さん対応もうまくできるのでは」と、思い上がりがあったかなとも、思えてきました。

カナコの、美穂への複雑な気持ちに対する傾聴を行うことこそが、大切でした。また、傾聴に留め、その後の心の整理が本人の内部で行われる結果になり、良かったと思えました。

後日談ですが、クラブチームでカナコの母親と美穂の父親はそりが合わず、周囲が冷や冷やすることも度々あったそうです。その辺の影響もあったのかな?(想像ですけれども)

ご一読ありがとうございました。

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上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。