大関フジ大関フジ

中学校教師30年の経験から事例を紹介します。仕事熱心な教師の、心の整理の一助になればと…。このブログに徐々に掲載していきます。ご自身の悩みに似た事例があれば、参考にしていただければ幸いです(・。・;。

モンスターペアレントからの… 父親の表情変化

ここまでのいきさつ →  https://kokoronoseiribako.com/utinoko3dosite1/

N美の父親の表情は、資料提示込みで次々とつきつけられた具体的な報告を聞いているうちに、徐々に変わっていきました。
あまりにわかりやすい表情変化でした。言葉で表すとこんな感じでした。
「そっちに不足あるだろ」→「一応言い訳聞いてやるか」→「あれ?ちょっと印象ちがうぞ」→「もしやうちの子の方に問題が?」→「え?そんなことまで?」→「騒いで失敗したかも」→「ちょっと恥ずかしいかも」
面談開始時と終了時では、同じ人か?と思えるほど、様子が違っていました。

教員の持ち味

さて、美術担当教員についてです。
ゆったりした語り口でありつつ、記録を提示しながら淡々と説明する様に、学級担任は内心、驚いていました。
というのは、教師にも様々な持ち味があり、美術担当教員は穏やかでおっとりしていて、「押しの強さ」だとか、「言いにくいこともはっきり伝える」だとかの印象がなかったのです。
生徒の中には、このゆったりした語り口に苛立ちを覚える者もいました。N美もそういう傾向がありました。
生徒と教師との相性について詳しくふれると…
→内申書ウチの子「3」 3②へ(読みとばし可) → https://kokoronoseiribako.com/utinoko3dosite3-2-1-2/

うちの子は悪くない

一言でいえば、N美は、美術担当教師に対して、態度が悪かったのです。
中学校生活は小学校時代に比べてあわただしいと、よく言われています。その中で次の活動を能率よく提示するスピーディな先生が目立つ傾向にあります。
ただ、教師全員がちゃかちゃかせかせかしていては、生徒も息が詰まります。教師の個性が教師集団全体においてバランスよく機能することが求められます。
能率の良さを追求しがちな側面があるN美にしてみれば、美術の先生に苛立ちを募らせてしまうことが、ままあったようです。それが態度に出てしまったということです。
でも、目の前で我が子に泣かれてしまえば、「うちの子は悪くない」と思いたい、親御さんというのは、そういうものなのでしょう。

家で注意しておきますんで

N美の父親は、ひととおりの表情変化の後、娘の態度の悪さについて指導しておくという発言になりました。面談当初の様子から一転、父親としての指導力のアピールという方向に変わりました。これで一件落着となりました。
N美は次期生徒会長立候補を考えている生徒です。学級担任は、実際、頼りになる生徒だと念押ししました。美術教員も、描写対象に対する捉え方に光るものがあり、今後に期待していると伝え、面談を終えました。
後日談ですが、保護者と話す機会があった際、「お父さんってば、学校に電話なんかして」と、カラカラと笑ってN美の母親が話しかけてきました。あまりにあっけらかんとした様子に面食らいました。
「だったら、旦那さん(N美父親)の行動を、させたいままにするってどうなの?」と、正直思いました。
当時独身だった私(学級担任)は、「夫婦といえども一心同体じゃないんだよな」と、当たり前っちゃ当たり前のことを、学ばせてもらいました(‘◇’)ゞ。
他のモンペ事例もご覧ください。 モンスターペアレント…「理不尽な文句はもうやめて!」へ → https://kokoronoseiribako.com/monpe-sensabanbetu1/

 

上記内容は仮名であり、内容を一部改変しています。